2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧
文学を捨てると言っておきながら十日ほどして大部の小説を読んでしまうという、節操のなさ。十日ほどすると何を考えていたか忘れてしまうという、老人性痴呆症なのか。多分、一番大切にしているものを捨てたら自分が変わるのじゃないかと思いついて、その思…
いよいよ読書生活に入る。辻邦生著「パリの手記」全1巻を読むための。他の小説は読むのをやめてこれ一冊に限って全編を読む。文庫本5分冊のものが出ているらしいが、私の持っているのは辞書みたいに分厚い一冊本だ。 これまで何度か読み始めて途中挫折して…
72歳は老人か? 私はそんな気はしない。明日の読書会は老い支度を勧める医師のエッセイを取り上げる事になっている。老いていく人生を大いに楽しめという内容だ。ソフォクレスの言葉に「老人ほど人生を愛するものはなし」というのがあると言う。人生を楽しむ…
自分の物語ということで考えてみると、少し前まであった物語は、生きるために地方の企業に就職して自分を殺して耐えてきたサラリーマン人生を否定して、自分を取り返す人生を始めるというものだ。耐えてばかりいた人生を納得のいく人生に作り変えていく物語…
自我に目覚めたころ、ラジオからアメリカン・ロックやR&Bやビートルズの曲が次々と紹介されて夢中になっていた。受験勉強に追われる学校生活では仲間同士は競争するのをなんとなくさける風があった。間抜けか高慢だったぼくは一人の世界にいそしんで、ノート…
昨日のブログで文学を捨ててしまおうと書いた。端的にはもう小説=フィクションは読まないと書いた。だがしかし、生きていくのに物語=ストーリーは必要だと、今日朝目が覚めてから思いついた。他人の物語ではなく自分の物語が必要なのだ。自分の物語を書い…
自由というのは選択肢が無数にあって結局何も生まないことになる。人生は短くあれもこれもと手を出せば、その全てが中途半端に終わってしまうだろう。自分の得意分野に絞って何か一つに集中しなければ結果が出ないだろう。昨日出会った読書会の方は、マルケ…
私が住んでいる街の公民館で開かれる読書会とは違って、能登の七尾市の公共施設で開かれる読書会に「助言者」の役割で今日参加することになっている。参加者がいつものメンバーで気心が知れている中での読書会と、ほとんど初対面の参加者ばかりの中で開く読…
◎特に気になった表現、少し考えればおかしい箇所などを抜きだしてみよう。● P338 13行目そのうえ、海で溺れた者のようにさびしそうな顔つきも、川で溺れた者のように困り果てた 痛々しい表情も見せずに、気高く死を耐え忍んでいるのが分かった。● P339 9行目…
小説の読み方として主人公になりきって読める作品と、主人公まではなれないまでも登場人物の誰かに寄り添って読める作品と、全く作中には入り込めずに外から眺めるしかない作品があるような気がする。主人公になりきって読める作品が一番読書経験として豊か…
本を読む大人が年々少なくなっている。子供の場合はまだ学校で本を読むように言われるし、国語の授業もあるので大人より本を読んでいるそうである。読書週間というのは聞いたことがあると思うが、実際にポスターとか目にされているだろうか?私も図書館協議…
ガブリエル・ガルシア・マルケスの主著「100年の孤独」は、1967年に出版され全世界で5000万部売れたそうである。村上春樹の「ノルウェイの森」が20年後の1987年に出版され、世界で累計1300万部だ。出版年代からするとほとんど同時代と言えるが、マルケスは一…
今度の日曜日、金沢のこども図書館で、県の読連協の「本を読む仲間の集い」がある。私は3グループの一つの読書会の「助言者」という資格で参加する。課題図書は中国の現代作家莫言の「白い犬とブランコ」である。選書が私なので「助言者」役を引き受けざる…
私は昭和28年生まれの72歳である。私と同じ時代を生きた人々にとって大学を卒業したら企業に就職するのはほとんだ決められたコースで、そこから離脱することは考えられなかった。自分の人生の重要な場面であることは認識できていても、自分の生きる道を切り…
読書会で司会をするという場面がある。ぼくが所属する読書会では、課題図書を順番に自薦して決めて当番の人が司会をすることになっている。司会者はそれぞれの感想を聞いてポイントやキーワードを取り出して、適時に議論に持っていくことが求められる。だが…
[AI によるネタバレ] 小説を「鑑賞する」とは、単に文字を追って読むのではなく、作品の「よさ」を見抜き、その芸術性や内容を味わい楽しむ、読書方法を指します。登場人物の感情、物語の構造、表現の技巧、テーマなど、作品の持つ様々な側面に着目し、それ…
私が副会長を務める読連協の会長から、青山美智子の「お探し物は図書室まで」を面白いからと勧められて3章まで読んだ。最初に定年退職した正雄の5章から読んだから4章分読んだことになる。純文学愛好者の私には魂を揺さぶられるような事件を含んでいない…
読書会で、青山美智子の「赤と青とエスキース」を読んでから続けて「お探し物は図書室まで」と「木曜日にはココアを」を読んだ。気楽に読めてほのぼのとする。読んでいる間は小説中に入っていることもできる。危機が訪れ悩みながら立ち直るというような小説…