生きた証を得るために

第二の人生での再自立をテーマにブログを書くことにしました。何ができて何が成し遂げられずに残っているか、人生の総決算を書き出して新たな自分を作りたい。

ニヒリズムからの脱却

私は昭和28年生まれの72歳である。私と同じ時代を生きた人々にとって大学を卒業したら企業に就職するのはほとんだ決められたコースで、そこから離脱することは考えられなかった。自分の人生の重要な場面であることは認識できていても、自分の生きる道を切り開くことに全力をかけることができなかった。今から考えるととても勿体無い時期の過ごし方だった。自分の人生は自分で決めるものという主張は当時は主流となっていなかったと思う。何か大きな流れがあって、どうあがいてみても食べていくには皆んなに合わせて職を求めるしかないように思い込んでいた。

突き詰めていうと、当時の私は本が読めれば地方の小さな会社で、雇ってもらえればどこでもいいくらいに考えていた。最初から大企業や教師や弁護士や建築家などの技術者の道は選択範囲に入っていなかった。ある意味最初から人生を諦めていた。そうだ、今書いていてはっきりした。私の人生はスタートから立身出世の道を諦めていたのだ。平凡でも立派に生きようというモラルさえもなかった。これは明らかにニヒリズムだ。その当時は分からなかったが、客観的にみてニヒリズムの中にいたことは確かだ。どうしてだろう。大きな夢を描く事自体どこかでかっこ悪いイメージがあった。時代のせいにすることはできないが、どうして自分が小さな夢でさえ持てなかったのか原因を探っていくと、そんな時代だったと半分は言えると思う。もう半分は自信がなかったのだろう。引きこもりの自分に閉じこもっていたのだ。自閉症ではなかったものの、無自覚な無気力人だったに違いない。

さて、そんな自分はこれからどう、生き直せばいいのか?定年退職後の年金生活者の身分でどう自分を立て直せばいいのだろう? 本当はのんびりできないのではあるまいか、少なくとも自分の場合は。