NHK大河ドラマ「光る君へ」が終わった。私は殆ど欠かさずに見ていた。幾分不満があるとしたら、主人公が紫式部なのだから当然と言えば当然なのだが、女性主体の女性目線のドラマだった。脚本もプロデューサーも女性なのだから、男性は引き立て役になってもおかしくない。道長も一条天皇も女性ウケをねらったような気がした。
さて私は源氏物語の谷崎現代語訳を宇治十帖の「総角」まで読んでいる。これまで月に一帖づつ読書会仲間で読み続けてきた。谷崎源氏以外に、与謝野源氏、瀬戸内寂聴源氏、橋本治源氏を読んで集まって、読んだところを確認しあってきた。特に橋本治源氏は紫式部を差し置いて自分の小説にしているので、違いがよく分かる。
地元には源氏物語研究者が何人もいらっしゃる。今度その中のT先生に講演をお願いすることになった。これまでに源氏物語関連の講演会は、NHKの影響もあって全国で盛んに行われていることと思う。我々としては、少し違ったアプローチをしたいと思っている。「男が読む源氏物語」だ。例えば、恋をする男の大胆さと悲劇というテーマで、光源氏と柏木の比較研究だとか、「雨夜の品定め」の現代版で今の男から見た源氏物語の登場女性の格付けだとか、名脇役を演じる個性的キャラクターの男ランキングとかが考えられる。どうだろうか、一般の男性が「源氏物語」を読みたくなるきっかけになるだろうか?